【専門部門のご紹介】児童思春期グループ
群馬大学精神科では外来・入院ともに児童思春期(18歳未満)の患者さんの診療依頼が多く、精神科専門医研修を通じて子どものこころ専門医・指導医のもとで臨床経験を積む機会が得られます。また当院小児科・児童精神グループとの連携、県内の児童思春期領域の現場で活躍されている先生方との勉強会・交流会などを通じ、専門領域に関わる最新の話題や診療での悩みごとについて気軽に相談することができます。児童思春期の精神領域は病院内での実臨床のみならず、地域との連携が不可欠であり、地域ネットワークを重視して市町村のこども課、児童相談所、学校などの教育現場、発達障害支援センター、地域の小児科や精神科病院などとの連携強化に努めています。また実際の外来・入院患者さんの多くは適応障害、解離性障害、摂食障害などをきっかけに来院することが多く、その背景には発達・知的障害や学校・家庭環境など様々な諸問題が複雑にからみ合っています。そのひとつひとつを丁寧にひも解き、試行錯誤しながら患者さん本人に合わせた形で最良のアプローチを組み立てていくことが重要であると考えています。
<新しい専門領域としての子どものこころ分野>
2018年度より新しい専門医機構による精神科専門医制度が本格的にスタートしました。これまで精神科専門医取得後、2階建ての副専門領域(サブスペシャリティ−)として日本小児心身医学会、日本小児精神神経学会、日本児童青年精神医学会、日本思春期青年期精神医学会など各学会から児童精神神経分野の認定医や指導医資格が取得できました。しかしながら今後は「子どものこころ専門医機構」によって統一された新しい専門医制度へと移行し(予定では2025年度までに移行)、それと併行して2020年度から全国で「子どものこころ専門医機構・臨床研修特定病院(群)」の立ち上げが開始されました(子どものこころ専門医機構ホームページ; http://kks-kokoro.jp/)。現在、当科でも当院小児科と協力して着々と「子どものこころ専門医機構・臨床研修特定病院群」の設立に向けて申請準備を進めているところです。将来的に精神科専門医取得後に当院で「子どものこころ専門医」を研修・取得できるようになることが当グループにとっての大きな目標となっています。
<2022年度・児童思春期グループの活動>
院内での通常活動
・当院精神科の児童思春期初診外来(月3〜4回、紹介患者さんのみ)
・当科児童思春期グループミーティング(週1回)
・当院小児科/精神科・児童精神分野合同カンファレンス(月1回)
・当科主催の児童思春期グループの自主的勉強相談会(月1回)
※なお児童思春期領域に興味がある医学生や研修医も参加可能です。参加希望の方はフッターに掲載している精神科医局宛のEメールに御一報ください。改めて開催日時等をお知らせいたします。
院外での活動・業務
・児童相談所 医学診察
・県立小児科病院 児童精神医学相談業務
・市町村発達検診(藤岡市、みなかみ町、草津町など…) 診察医
・群馬県教育委員会 健康相談
・群大共同教育学部附属小・中・高 特別支援学校 学校医
・家庭裁判所 委託業務
・少年院・刑務所 医学診察
・県内他院での児童思春期専門外来 開設
地域との定期勉強会
児童相談所の心理職や地域支援員(CW)の方々、学校教育現場や養護の教員の先生方、医療福祉に関わる地域や市町村職員の方々、就労支援や発達障害支援事業所の関係者の方々…など多様な児童医療福祉に興味関心のある方々との連携や交流を深めています。