群馬大学大学院医学系研究科 神経精神医学教室Department of Psychiatry and Neuroscience, Gunma University Graduate School.

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研修医の方へ

《精神科で学んだ研修医の声・その2》
「今気づいて良かったと心から思います」

研修医の感想「自分が恥ずかしいです」の続きです。

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<病気のために生活や人生が望むように送れなくなっている、そうした状況から自分なりの生活や人生を取り戻すことが目的で、治療はその目的を実現するための手段である。> を読んで。

自分なりの生活や人生を「取り戻す」。強く印象に残りました。

我々医療従事者が忘れてはならないことは「患者さんが自分の人生を取り戻すお手伝いをする」ということでした。自分はそのような視点で患者さんに関わってきたのかと問われれば、「否」。患者さんの人生の一地点、しかも疾患という部分を切り取ってしか見ていなかった。どうやって非日常を日常に戻すのか、考えたことさえなかった。これでは、刹那的で、将来の再発確率を増やし、「人生が破綻するお手伝いをする」ことになりかねません。 今気づいて良かったと心から思います。患者さんに寄り添いたいと常日頃から思っているのに、行動が伴っていないのは本当に猛省せねばなりません。いまの自分は「患者さんが自分の人生を取り戻すお手伝いをする」ことができているのか、自問する時間を作りたいと思います。