第50回 日本自殺予防学会総会に参加しました
7月9日〜11日:札幌(第23回 日本うつ病学会総会との特別合同総会)
7月9日から11日にかけて、札幌で開催された第50回日本自殺予防学会総会に参加してまいりました。今回は第23回日本うつ病学会総会との特別合同総会として行われ、記念すべき第50回という節目にふさわしく、全国から多くの研究者・臨床家が集う活気ある会となりました。梅雨入りした札幌は雨が降っていましたが、会場は朝から熱心な議論に包まれていました。

私自身は、ポスター発表として『有効求人倍率の月次変動と都道府県自殺率の遅行的関連』と題し、労働市場の変化が数か月遅れて自殺率と関連することを、47都道府県×月次の固定効果パネル分析で検討した研究を報告いたしました。ポスターの前では、経済的要因と自殺対策のつながりについて多くの方と意見を交わすことができ、今後の研究の方向性を考えるうえで大変貴重な時間となりました。
聴講したセッションのなかでは、救急医療現場における自傷・自殺未遂のレジストリ(JA-RSA)に関するシンポジウムや、AIを用いた危機介入場面の応答評価といった演題が特に印象に残りました。救急と精神科の連携、デジタル技術の活用、ハイリスクの方への支援など、これからの自殺対策を考えるうえで重要なテーマが数多く議論され、明日からの臨床と研究に持ち帰りたい学びの多い三日間でした。

自殺対策は、一つの分野だけで完結するものではなく、社会経済・救急・地域・行政が手をつなぎながら進めていくものだと、あらためて実感いたしました。学会で得た知見とつながりを、今後の研究と日々の診療に少しずつ活かしてまいります。
群馬大学大学院医学系研究科 神経精神医学教室