資格を取る
このページでは、専門医の資格を取るまでの具体的な取り組みと仕組みについて紹介しています。Kuribo
- 《サマリー》
- 大学病院を軸にして、連携施設でも経験を積む
- 1年目〜3年目までの到達目標とは?
- プログラム管理体制を整え、資格の取得を全面サポート
専門医研修(後期研修)について
特徴
群馬大学医学部附属病院は総病床数718床、このうち精神科は開放40床で「県内唯一」の有床総合病院精神科です。このため、県内のみならず近県の単科精神科病院やクリニック、さらには一般身体科からの依頼も多く、疾患構成はバラエティに富んでいます。
研修プログラムは、基幹施設である①当大学病院を軸に、連携施設である②単科精神科病院、③総合病院精神科の3つで構成し、それぞれの場が持つ「固有の特性」を存分に生かした専門研修が行えるよう配慮しています。教育の目指すべきところは「現実とタフに向き合い、行動出来る医師」の養成であり、教室の目指すべきところは「患者家族の長所や価値を大切にした、当事者を支える精神医療の実践」です。
取得できる資格について
精神科専門医のための研修を行いながら、精神保健指定医の資格も同時に取得できます。入局時に専門医研修の開始手続きを行い、精神科歴4年目に両資格の申請が可能になります。各専攻医の経験・未経験項目については一元管理しており、定期的に専門医指導医と情報共有しながら不足している経験を補っていきます。
申請の方法、条件
<精神科専門医の申請要件>
- 実務経験:
- 研修開始申請書を提出した後から精神科常勤を計 3 年以上
※初期臨床研修を終了し、精神科専門研修開始年度内に日本精神神経学会の学会員であること - 経験症例数:
- 入院 25例以上(うち非自発入院 15例以上)+外来 20例以上(統合失調症10例、気分障害5例、神経症5例、児童2例、精神作用物質2例、症状性・器質性4例、パーソナリティ障害2例、救急5例、行動制限5例、地域医療5例、合併症・リエゾン5例)
- レポート:
- 計8例以上(統合失調症1例、気分障害1例、神経症1例、児童1例、精神作用物質1例、症状性・器質性2例、パーソナリティ障害(または発達障害)1例、救急1例、行動制限1例、地域医療1例、合併症・リエゾン1例、非自発入院2例以上、任意入院1例以上、外来2例以上)
<精神保健指定医の申請要件>
- 実務経験:
- 常勤医師として計 5 年以上 かつ精神科常勤を計 3 年以上
- レポート:
- 計5例(統合失調症1例、気分障害1例、物質依存症1例、症状性 or 器質性1例、その他1例)
※いずれも非自発入院例(措置入院・医療保護入院を各1例以上)で、受け持ってから 7 年以内の申請であることが条件
※申請前1年以内を1例以上、さらにその前を2例以上
※入院から退院までを主治医として受け持ったことが原則
年次到達目標について
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1年目
研修基幹病院(群馬大学医学部附属病院)での研修を主として、統合失調症、気分障害、神経症性障害、器質性精神障害、摂食障害、児童思春期などを中心に、比較的「典型的なケース」を指導医とともに受け持ちます。
- 単に数をこなすことよりも、「ひとつのケースから多くを学ぶこと」を大切にしながら、より深くより広く学習することを基本とする
- 診断や治療計画に関わる様々な知識や技能の習得はもとより、「患者の人生を支援する」という精神科医としての基本的な態度も様々に考察しながら深めていく
- 看護師はじめ、臨床心理士やPSW、OT、薬剤師、栄養士など、精神医療に関わる多くの専門職と密に連携を取りながらの、多職種チーム医療の実践も意識する
- 頻回に行われる治療検討カンファレンスでは、討論能力やプレゼンテーション能力も涵養する
- 院内外での研修会や講演会には積極的に参加し、地方会レベルの学会発表を年間1回以上経験することを目標とする
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2年目
基幹病院もしくは連携病院で、指導医のもと、主担当医として主体的な診療を行います。診断と治療能力を充実させ、薬物療法や精神療法(支持的精神療法、力動的精神療法、認知行動療法など)、生活療法(SST、精神科デイケア、就労支援など)を構造的に活用しながら、主担当医としての「ケースマネジメント能力」を充実させます。
- 1年目に引き続き基幹病院で研修する場合は、より応用力を要する非典型的なケースや、治療関係に配慮が必要なデリケートなケースを受け持ちながら、臨床能力の更なる向上を目指す
- 後進の専攻医や初期研修医、医学実習生らの教育にも積極的に関わることで、「教えることは学ぶこと」を実践しながら、さらなる自己研鑽を目指す
- 連携施設で研修する場合には、各施設の特性を生かし、精神科救急や慢性期治療、地域精神医療、コンサルテーション・リエゾン領域など、基幹施設では経験できなかったケースを「補完する」形で、幅広い治療場面を経験する
- 院内外での研修会や講演会には引き続き積極的に参加し、年1回以上の学会発表を経験する
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3年目
基幹病院または連携病院で、2年目までをさらに補完する形で、未経験項目を積極的に経験します。
- 指導医の監督のもと、ある程度自立した診療が行えるようにすると同時に、指導医に対して適切な「報告・連絡・相談」の実践を意識し、自らの診療の「自立性と客観性」の両立を目指す
- 児童思春期精神医学、司法精神医学、睡眠、てんかん、あるいは脳画像研究などを学びながら、精神科専門医取得後のサブスペシャリティ領域をある程度意識し、更なる自己研鑽を目指す
- 院内外での研修会や講演会には引き続き積極的に参加し、年1回以上の学会発表を経験する
ローテーションモデル
1年目は群馬大学医学部附属病院(基幹病院)で研修を行ない、精神科医としての基本的な知識・技能・態度を身につけます。2~3年目は単科精神科病院と、総合病院精神科を各1年ずつローテートすることを基本とし、生物学的・心理学的・社会学的視点から、精神科医としての知識・技能・態度の習得を目指します。ローテート順については、各専攻医の希望に応じて柔軟に対応し、専攻医の興味関心に応じて、週~月に1回程度、様々な専門機関(群馬県こころの健康センター、児童相談所、学校、裁判所など)へ出向いての、セミオーダーメイドな研修プログラムの構築も可能です。
パターンA | パターンB | パターンC | |
---|---|---|---|
1年目 | 【基幹:大学病院】(群馬大学病院) | 【基幹:大学病院】(群馬大学病院) | 【基幹:大学病院】(群馬大学病院) |
2年目 | 【連携:単科病院】 | 【連携:総合病院】 | 【基幹:大学病院】(群馬大学病院) |
3年目 | 【連携:総合病院】 | 【連携:単科病院】 | 【連携:単科病院】 |
これらのパターンの他にも
ローテーションモデルはいくつかあります
- 1年目は基幹施設(群馬大学医学部附属病院)での研修とする。
- 2年目、3年目は研修医の希望等に応じ多様な対応が可能であるが、単科精神科病院は必須とする。
プログラム管理体制について
資格を取るために経験する必要がある治療場面を、進捗の状況に応じて適切に管理(ケース管理)し、資格を取るためのサポートをします。
- <プログラム管理委員会>
- 委員長・医師:福田 正人
- 医師:藤平 和吉
- 医師:赤田 卓志朗
- 医師:青山 義之
- 医師:井田 逸朗
- 医師:小保方 馨
- 医師:関口 秀文
- 医師:田中 毅
- 医師:天谷 太郎
- 医師:高木 正勝
- 医師:山﨑 學
- 医師:関口 定
- 医師:亀山 正樹
- 医師:田中 永
- 医師:原 淳子
- 医師:佐藤 浩司
- 看護師:柳澤 雅江
- (計17名)
- <プログラム統括責任者>
- 福田 正人
- <連携施設における委員会組織>
- 各連携病院の指導責任者および実務担当の指導医によって構成されます
評価について
(評価方法、評価体制)
- <評価体制>
- 福田 正人、
赤田 卓志朗、
関谷 務、
井田 逸朗、
小保方 馨、
関口 秀文、
田中 毅、
天谷 太郎、
高木 正勝、
山﨑 學、
関口 定、 亀山 正樹、 田中 永、 原 淳子、 佐藤 浩司 (計15名) - <評価時期と評価方法>
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- 3ヶ月毎にカリキュラムに基づいたプログラムの進行状況を専攻医と指導医が確認し、その後の研修方法を定め、研修プログラム管理委員会に提出
- 研修目標の達成度を、当該研修施設の指導責任者と専攻医がそれぞれ6ヶ月ごとに評価し、フィードバック
- 1年後に1年間のプログラムの進行状況ならびに研修目標の達成度を指導責任者が確認し、次年度の研修計画を作成、その結果を統括責任者に提出
- その際の専攻医の研修実績および評価には、研修記録簿/システムを使用