群馬大学大学院医学系研究科 神経精神医学教室Department of Psychiatry and Neuroscience, Gunma University Graduate School.

深く学ぶ

このページでは、専門医になるためのスキルを向上するためのさまざまなサポートについて紹介しています。Kuribo

《サマリー》
治療の検討会を通して適切な治療の選択をサポート
4つの専門グループで専門的なスキルも向上
さまざまな勉強会やワークショップなども充実

治療検討会

全ての患者さんの治療方針について、治療に関する検討会を行っています。スタッフ全員で共有することで専門的なサポートを行い、適切な治療法の選択などについて、向学の機会としています。

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  1. ①毎週月曜 15:45~17:00

    1~2例を取り上げて、じっくり検討を実施

  2. ②毎週金曜 13:00~15:00

    全入院患者についてリスクと治療方針を共有

専門グループ

特定のスキルを研鑽するための、専門グループをいくつか用意しています。希望するグループに参加して専門的なスキルの向上に取り組むこともできます。

CBTグループ

うつ病、パニック症、強迫症などに対する認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy: CBT)の専門外来と研究を実践しています。各自が実際に担当している診療について、スーパーバイザーが録音を聴いて指導を行っているほか、週に一度のグループミーティングを通して方針の検討を行っています。治療を受ける患者さんにとって不利益にならないように配慮しながら、未経験者でも安心して取り組めるように、グループがバックアップします。

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児童グループ

当科では外来・入院ともに児童思春期の患者さんの診療依頼が多くあり、専門医研修を通じて担当医として臨床経験を積む機会に恵まれています。小児科との連携、児童相談所はじめ児童福祉関連施設、司法関係機関、教育関係機関との臨床を通じての連携などを積極的に行っています。また、福祉・教育関係の専門職との定期的な勉強会を企画し、地域のネットワーク作りも行っています。病院臨床のみならず、地域の中でどのように医療的な役割を果たしていけるかということについても、研修を通じて学ぶことができると思います。

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緩和ケアグループ

院内緩和ケアチームのメンバーとして活動します。当院では、主に入院中のがん患者さんのうち、特に専門的な緩和ケアが必要なケースについて、緩和ケアチームにご依頼いただく仕組みになっています。多職種(身体症状担当医師、精神科医師、臨床心理士、看護師、薬剤師、栄養士)からなるチームで患者さんの苦痛を多面的に評価し、苦痛の緩和を図ります。チーム内でのディスカッションや精神科指導医からのアドバイスを通して、リエゾン精神医療のスキルが磨かれます。

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摂食障害グループ

摂食障害は多面的でその治療に当たっては多様なアプローチが必要な疾患ですが、当院精神科では多職種チームを基本に摂食障害チームを作って診療にあたっています。定期的にミーティングを行い、診療だけでなく勉強会や疾患研究も行っています。

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脳機能画像診断グループ

脳磁図(MEG)、近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)、磁気共鳴画像(MRI)を用いて脳神経画像を計測しています。統合失調症、気分障害などの精神疾患の症状は目に見えませんが、脳機能画像技術により可視化し脳における病態を明らかにすることが目標です。
精神疾患の診断と治療が発展することで疾患を持つ方々の生活がより良くなることが最終的な到達点です。
臨床に基づいた研究をすすめるため、実際の 診療のなかで診断や臨床症状の評価を丁寧に行い、並行して脳機能画像の解析を行っています。疾患としては、統合失調症、気分障害、発達障害、摂食障害、パニック障害など幅広く対象として研究を進めています。

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「抄読会」

基本的に週1回、毎回の担当者が最近の論文を紹介します。毎回様々なテーマの論文が取り上げられ、その内容について議論をし、知識と理解を深めています。各回の担当者にとっては文献の探し方や読み方の練習にもなり、発表を聞くことで効率よく新しい知識を得ることができます。また論文紹介だけでなく、様々なテーマのレクチャーが行われることもあります。

発表タイトル
2022年度一覧
2021年度一覧
2020年度一覧
2019年度一覧
2018年度一覧

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「ぐんまを支える若手精神科臨床勉強会」

群馬県内の若手精神科医を中心とした「若手の・若手による・若手のための」勉強会です。年に4回定期的に開催され、若手医師が自分自身の経験に基づいた様々なテーマで発表を行っています。症例報告・講演・ワークショップ・クイズ形式など、発表のスタイルも毎回楽しめるように工夫しています。若手による発表だけでなく、若手が関心を持っている分野について、各分野の専門家や当事者の方を招いて講演していただくこともあります。

最近取り上げられたテーマ:
「自閉スペクトラム症の評価について」
「みんなが幸せになるリエゾン精神医療」
「自殺未遂者の支援」
「薬物依存からの回復とダルクの関わり方」
「見て、聞いて、体験する、当事者研究!」
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「ぐんま こころの医療体験
ラリー」

学生・研修医を主な対象とした、ワークショップ形式のイベントです。講師やファシリテーターは若手医師を中心としたグループが担当します。まだ精神医療にふれたことのない学生にも、わかりやすく体験しやすいように、趣向を凝らしてテーマを設定しています。身近で日常的な話題を取り上げて、そこに精神医療の考え方をどのように取り入れると役立つのかを、毎回のテーマに沿って実践しながら、相談者と支援者の両方の立場を体験することができます。

体験テーマの例:
「一般救急で出会うこころの臨床」
「回復につながるSST・明日から使えるSST(SST:社会生活技能訓練)」
「しなやかなこころの育てかた(認知行動療法・はじめの一歩)」
「言わぬが花とはいうけれど(上手な気持ちの伝えかた:アサーション)」
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その他の学会など

指導医とともに学会発表も積極的に経験し、研鑽に努めています。

群馬精神医学会
  • 年に1-2回開催される、群馬県内の精神科医の集まり
  • 顔見知り同士のアットホームな雰囲気のため、最初の一歩として経験しやすい
東京精神医学会
  • 関東(甲信越)地方の学会で年に3回開催される
  • 若手の経験の場という前提があり、比較的あたたかい雰囲気
  • 施設毎に持ち回りで、2回に1回くらい発表の義務がある。
全国学会について
日本精神神経学会、日本総合病院精神医学会、日本小児神経学会、日本統合失調症学会、日本臨床神経生理学会、日本生物学的精神医学会